「暴力は一発退場」が出来なかった結果のウィル・スミスからの「アカデミー退会」
2022.04.04更新
1週間もたつのに、アメリカはウィル・スミスの「アカデミー賞授賞式」平手打ち事件の話がとまりません
式の最中の事件なのに、きっぱりとした態度をとれなかったアカデミー
当のウィル・スミスは、主演男優賞も「事件後」に授賞しています
その後、ありとあらゆる人たちの発言があり、大騒ぎになり、
結果は、アカデミー賞側や、警察などが動くのではなく、
ウィル・スミスが「アカデミー退会」を決意するという形に終わりました
考えるヒントがありすぎの、今回の騒動でした
日本では「言葉の暴力」「判官びいき」「男らしさ」さまざまな観点から、ウィル・スミス容認派が多かった様子です
アメリカでも、経済的に恵まれない地域(荒れた地域が多い)では、自分の身は自分で守れということなのか、ウィル・スミス支持派が多かったそうです
それでも、「暴力」はアメリカにおいては許されません
日本でよくある「お酒の席だったから」なんていう言い訳も通用しません
釈然としない、さまざまな「課題」を残したまま、ウィル・スミスはアカデミー会員を自ら辞めました
ウィル・スミスの、今後の「実力での活躍」を期待したいですよね
容姿についてイジリをされた本人、ウィル・スミスの妻ジェイダの視点
2020.03.29の記事を03.30に更新
1番大人なのは、ウィル・スミスの妻ジェイダ・ピンケット・スミスだったのかもしれないですね
誰にとってもヒーリングと、落ち着いて考えることが必要です
ウィル・スミスとクリス・ロックの間で傷害が「事件化」しないのならば、
ウィル・スミスは、公式に平手打ち騒動を反省し謝罪していますから、
「お開き」にしてほしいと個人的には思っています
これだけ米国内で大騒ぎになれば、子供たちにも「どんな理由があれ人に暴力をふるえば、こんなに酷い目にあう!」という強烈なメッセージにはなったはずです
言葉の暴力をうけても、体の暴力で返さず、
言葉で解決する方法の模索になりますよね
難しいけれど、暴力には暴力がかえってきますから、きりがありません
アカデミー賞サイドも、
その場でウィルスミスを「暴力は一発退場」という当たり前の決定をすることができず、
さらに、予定通りウィル・スミスに「主演男優賞」を授けているのですから、
今更、取り消し「はく奪」というのは、自分たちの首をしめることになると思います
グズグズですよね
ここは、「ケンカ両成敗」と「アカデミー側の対応の不備の謝罪」さらに「子供たちへの暴力はダメのメッセージ」という3点セットで収めてほしいと心から願います
ジェイダ・ピンケット・スミスの言うとおり、時は過ぎてしまいましたから、
今さら、大騒ぎしても始まりません
今は、ヒーリングの時
落ち着いて、このことから学ぶ時がきたのだと思います
キーワードとなっている「有毒な男らしさ、有害な男らしさ」については、こちらです
初めての方へ
今年の映画界は、アカデミー賞受賞に関しても、ひと波乱ふた波乱ありましたね
作品そのものだけではなく、監督、俳優の発言や行動においてもです
第94回アカデミー賞の授賞式の結果
- アカデミー賞自体の、受賞者を選ぶ会員の人種的な偏り。その結果、受賞作に偏りがあるという長年の指摘
- 前哨戦とも言われるゴールデングローブ賞での人種差別問題
このことによって、今回のアカデミー賞が、マイノリティにとって、少しは、道が開かれるものになるのではないかと期待している、
と書いた記事がコチラでした
アカデミー賞2022年 日本映画「ドライブ・マイ・カー」受賞の行方!? - あい青子「大好きだった曲」と「手離し服」で幸せを感じる「認知症の予防と介護」
そのこととの関連はわかりませんが、昨日のアカデミー賞各賞の受賞は、人種的にも、男女的にも、障がいのある人と健常者という観点からも、
とてもバランスのいい結果だったと、私は個人的には思っています
コチラの記事の最後にあります
詳しい各賞の受賞については、コチラの記事となります
こういう背景があることを知った上で、話が続きます
アカデミー賞授賞式の壇上でコメディアンからの病気や容姿への侮辱と、家族からの暴力でのやり返し
とても哀しい事態となりました
アカデミー賞授賞式という、とても華やかで、おめでたい席で、あり得ないことが起こりました
- コメディアンのクリス・ロックが、ウィル・スミスの妻に対して、彼女が公表している病気がもとの髪の毛の問題(容姿の問題)について、それを笑いにする発言をしました
- 会場は笑いました
- 言われた本人ジェイダ・ピンケット・スミスは笑いませんでした
- 彼女の夫であるウィル・スミスが、いきなり壇上に上がり、このコメディアンに平手打ちをしました
- 放送禁止用語も連発したので、テレビ放送は一時中断となりました
- その後、ウィル・スミスは、テニス界のビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹と父リチャード・ウィリアムズの映画「ドリームプラン」の主演男優賞を獲得しました
- 壇上のスピーチで彼は泣きながら、暴力を詫び、尊敬するディンゼル・ワシントンからの言葉を紹介し、ビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹と父リチャード・ウィリアムズや関係者には詫びましたが、コメディアン本人には謝りませんでした
- アカデミー賞授賞式真っ最中の出来事だったため、放送は一時中断にしましたが、暴力を振るったウィル・スミスにどう対応するかで、揉めたことと思います
- 結局、ウィルスミスは、退場になることもなく、受賞も滞りなく行われ、前記の涙のスピーチもすることができました
- 暴力なので、警察もこのことは知ることとなりましたが、コメディアンのクリス・ロックが望まなかったので訴えることはないようです
- それでも、暴力は暴力。しかも、アカデミー賞授賞式という、アメリカ国民のみならず、世界中の老若男女の映画ファンが観ている場での暴力です
- 病気や容姿に悩みのある人への心ないジョークやコメディは、許されるのか
- 家族や大切なひとが貶められた時、暴力以外の方法で、どう対処すればいいのか
- 映画界だけでなく、さまざまな人たちがコメントし、意見も様々です
- さらに、このアカデミー賞の前にはカンバーバッチ主演の「パワー・オブ・ザ・ドッグ」の監督の失言問題がありました
- ジェーン・カンピオン監督は、ほかの授賞式において、男女差別という自身が直面してきた差別に関して、あろうことか、同じ女性のビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹に差別的発言をしてしまったのです
- この問題も大きくとりあげられ、本命とも言われた映画「パワーオブザドッグ」の行方が、心配されました
- その後、監督は心ない発言を詫び、今回のアカデミー賞では、監督賞を受賞することが出来ました
- 心ない発言と、暴力とを、一緒に語ることはできませんが、監督の失敗をアカデミー賞では見逃し、ウィルスミスの大きな失敗を「賞の剥奪」という形で収めようとするならば、この問題に対して、大きく意見が割れるのは、目に見えています
- ひとつの救いは、ディンゼル・ワシントンがウィル・スミスに直後にかけたという言葉です
- 「ありがとう、ディー。デンゼルからさっき言われました。『最高の瞬間に悪魔は囁く。その誘いに負けてはならない』と」とウィルスミスは語っています
- 全く望まない形で、2つの映画賞において、ある種、矢面に立たされたビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹。彼女たちは強いと思います
多くの視点と、学びと、世の中を良くしていくための「考えるヒント」
- 暴力は、論外です
ロシアとウクライナの情勢を見ていても、暴力では何も解決しない上に、双方に沢山の犠牲者が出ています
平手打ちといえども、暴力は暴力
子供たちも観る映画の世界ですから、本来ならば「暴力は一発退場」というメッセージは必要だと思います
- 悪意のある笑い、人を傷つける笑いにもっと気をつけたい
ある種のお笑い番組が嫌いです
子供たちも観る番組で、いじめそのものが行われている事実
子供たちは、もちろんマネを学びます
言われた本人が傷つく言葉は、言った本人が無意識であっても、気がついた段階での、ごめんねという心からの温かい謝罪が必要だと思っています
それが、あたたかい人間関係だと信じているからです
- 傷ついた時の本人の対応とは
今回は、ステージ上のコメディアンの発言で、ウィルスミスの妻は、遠い席上でした
何か言える状態ではありませんでした
もし、近くにいたならば、「そんな風に言われても嬉しくはないわね」「私には笑えないわね」と言えたと思います
そんな状況下でのウィルスミスの突然の登壇
まさに悪夢のようだったと思います
- ディンゼル・ワシントンの言葉
文字通りの意味以外にも、感情にまかせて、短気をおこさない、という意味もあると思います
- ジェーン・カンピオン監督の問題発言から広がる「様々な差別」の存在
ジェーン・カンピオン監督は「男女差別」の話をしました
する必要のない、姉妹への問題発言は聞いた人々に「人種差別」とも受けとられました
ウィル・スミスという、妻のために男を殴ってしまった男は、今アメリカでトピックとなっている「問題のある男らしさ」の象徴でもあります
ウィルスミスの妻は、守られるべき存在ではなく、自分で発信する自立した女だからです
「注目されるべきものがされず、ビンタ事件ばかり」と、グラミー賞授賞式でアカデミー賞受賞者がコメント
アカデミー賞でした
各賞の素晴らしい受賞に注目すべきでした
なのに、マスコミも、セレブも、アメリカの一般の人たちも、
話題はウィル・スミスのことで持ちきりになってしまいました
残念です
日本の映画「ドライブ・マイ・カー」も、もっともっと注目されるべきでした
代表発言ですね
ウィル・スミスによるビンタ事件の“もう1人の被害者”、グラミー賞で事件をジョークに - フロントロウ -海外セレブ&海外カルチャー情報を発信
ありがとうございます
晴れの舞台でした
「障がいもある家族の話」の映画に、障がいもある方本人が出演し、主演男優賞を受賞されたことが、
障がいもある子供の母として、何より嬉しいです
ヒスパニックの役を、ヒスパニックの人が演じて助演女優賞をとったのも、嬉しいです
ウィルスミスの主演男優賞も、アフリカ系としての栄誉のはずでした
ジェーン・カンピオンの監督賞受賞も、女性監督としての栄誉のはずでした
それが、
本人たち自らの暴力や暴言で、台無しにしてしまったという哀しみ
でも、
自分自身を振り返ると、本当にひとは愚かなものだと分かります
愚かだからこそ、学ぶ
失敗をしたら、また学ぶ
そうして、少しでもよい自分に、少しでもよい社会に、少しでもよい世界にしていくというのが、
私たち全員の希望ではないでしょうか
今回も、とても暑苦しい話でしたが、
こういうアレコレを
書きながら自分の中で整理しないと、前に進めない性格です
アカデミー賞から学ぶだなんて、
よく考えたら、前向きで、いい機会だと思います
人間誰しも完璧ではないし、
それどころか、穴だらけだけれど、
だからこそ、より良くなっていきたい
そんなことを考えるアカデミー賞授賞式の翌日でした
子供の話では、アメリカでは、この話題で持ちきりだそうです
考えるヒント!
ですよね
今日もいい1日をお過ごしくださいね